日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年1月18日ストーリーを入れて話を魅力的なものにしよう!

日本話し方センターでは、人になるほどと思わせる話し方や、よい人間関係を作る話し方に関する講義を行っています。その講義の中で講師は必ず例話を話します。この例話は講義を理解してもらうためにとても大切なものだと考えています。



例えば、ベーシックコースの1回目では、あいさつを励行しよう、という話をします。周りの人とよい人間関係を築くと話を聞いてもらいやすくなります。そのためには日頃から周りの人に明るく大きな声でこちらからあいさつすることがとても効果的だということを解説します。しかし、こういった話をしただけでは聞いている人は「ふーん」と思うだけでさっぱりピンとこないし「よし、今まで以上にあいさつをしよう!」とも思わないはずです。

そこで、講師は次のような例話を話します。
・朝起きて奥様にあいさつするようにしたら、奥様からもあいさつするようになり、その後の会話が弾んで家族の仲が一層よくなった。
・社長が会社で自分から社員にあいさつするようにしたら、社員同士もあいさつするようになって会話が増え、やがて社員同士が協力し合うようになって業績が伸びた。
ここでは簡単にどういう話か示しただけですが、実際はストーリー仕立てで情景が目に浮かぶように話をしています。これらは話し方センターの長い歴史の中で実際に受講生が体験した実話です。それらを話すことで聞いている人は共感を覚え、あいさつの効果が実感できて「自分もやってみよう!」と思ってもらえるのです。

人は聞いた話が頭の中でイメージできて初めて理解できます。従って、単に物事を説明しただけではイメージが描けず聞き手は共感できません。その点、ストーリー仕立てで話をすると聴き手の頭の中に情景が浮かんで理解しやすくなりますし、自分事として捉えることもできるようになります

なので、こうした例話を普段から集めておくと話をする際に有効に活用することができます。例えば、ポジティブに考えようということを伝えたいと思ったとします。この話をストレートに言っても聞き手には響かないでしょう。そこで次のような例話をします。

パナソニック創業者の松下幸之助が、会社創業時に電球を作る事業をしていた頃の話です。仕上げの段階で電球を布で磨くという作業がありました。幸之助がある日、工員が作業している様子を見ると、いかにもつまらなさそうに電球を磨いています。それを見た幸之助はこう言いました。
「君、ええ仕事しとるな~。子供らは夜になると暗くなるから勉強したくてもできん。せやけど、君が磨いた電球があれば夜も勉強ができる。本が読める。そうやって勉強した子供らが日本の未来を作るんや。君は今、日本の未来を作る仕事をしてるんやで。ほんま、ええ仕事してるな~」
この工員は、それ以来自分の仕事に自信と誇りを持ち、やりがいを感じるようになったそうです。つまらない仕事とネガティブにとらえるよりも未来を作る仕事とポジティブにとらえるとモチベーションが格段に違いますね。

こうした例話を話すことで、あなたが言いたいことの本質がきちんと伝わり聞き手の記憶にも残るものとなるでしょう。普段、私たちは様々な情報に接しています。自分からわざわざ取りに行かないと触れることのできない情報もたくさんあります。上のような話に使える例話は自分から取りに行かないとなかなか得られません。あなたの話に説得力を持たせるために、ぜひ積極的に例話を活用してください。そしてそのために日頃から話のネタを集めておくようにしてください。

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